社協ブログ
【社協情報】令和5年度一声訪問員研修会・交流会を開催しました
2023-10-31
「一声訪問員」は、75歳以上の一人暮らしのかたや80歳以上の高齢者夫婦などを対象に月一回程度訪問し、話をしたりちょっとしたお困りごとや悩みを聞いたりして、必要に応じて専門機関へのつなぎを行う地域のボランティアです。
一声訪問員研修会・交流会は毎年開催しています。今年度は大阪府認知症介護指導者を講師に招き、一声訪問員、箕面市職員、箕面市高齢者くらしサポート職員、箕面市社会福祉協議会職員の計40人で「認知症」について研修会を行い、その後意見交換を行いました。
大阪府認知症介護指導者の則包さんは、NPO法人あそびりクラブの代表理事を務め、日頃からケアマネージャーとして高齢者宅を訪問したり、デイサービスで高齢者と関わったりしています。
研修会では則包さんから、
・認知症と診断されても、周囲の助けがあればできることはたくさんある。
・何度も会話を重ね関係性を築くことで、認知症のかたにとって「安心できる人」になれる。
・認知症のかたは失敗したりして怒られると、どうして怒られたのかは忘れてしまっても「嫌な感情」だけは記憶として残ってしまう。
などの話がありました。
また研修会では、参加者で認知症についての動画を観賞しました。動画では、認知症と診断されても地域の集いの場でおしゃべりしたり、楽しく地域活動をしたりしている様子などが認知症本人から語られました。
交流会では5つのグループに分かれて、
・一声訪問活動中の悩み
・「いつもと様子が違うな、認知症かな?」と思ったことのある経験
・認知症のかたとおしゃべりするときのポイント
などについて意見交換しました。
各グループからは、
「動画を見て驚いた、認知症の方々がとても生き生きしていて認知症のイメージが変わった。」
「外に出たくないと言っている高齢者に、外出して近所のいろんな人とおしゃべりしたら楽しいよ、と言ってみようと思った。」
「一声訪問員に来てほしいかたが地域にどのくらいいるか、改めて民生委員さんや地域の活動者と話し合いたいと思った。」
「話が通じにくい時は、単語で話したり、紙とペンで意思疎通したりするようにしている。」
などの発表がありました。
参加者の発表を受けて、最後に講師の則包さんから、
・心理的ニーズとして、結びつきやつながりがあることで安心しくつろぐことができる。
・一声訪問員さんから「毎回同じことの繰り返しで訪問先のかたと話す内容に困る」という話があったが、定期的に会うことが何よりも意味のあることで、それが安心につながっている。
・認知症のかたから聞く内容が毎回同じことだとしても、認知症のかたは「話を聞いてもらえた」という嬉しい気持ちになっている。
・もし話す内容に困ったら、咲いている花のこと、今日の空の色のこと、着ている服のことなど、なんでもいいからおしゃべりのきっかけにしてほしい。
・会話を重ねることでちょっとした変化に気付くことができるかもしれないし、それは日頃から交流している一声訪問員さんにしかできないことかもしれない。
と話がありました。
今回の一声訪問員研修会・交流会では、福祉専門職と地域ボランティアが話し合う貴重な時間となりました。これからもご近所同士が声をかけ合える、つながりのあるまちづくりを地域のみなさんとともに目指していきたいと思います。
一声訪問員や、ご近所でのちょっとした福祉活動にご関心のあるかたは、いつでもお気軽にご連絡ください。
箕面市社会福祉協議会 地域福祉推進課
箕面市船場西1-11-35
072-749-1575